動脈硬化の運動療法と運動をしてはいけないのはどういう時?

運動を始める人は、何より楽しく続けられることを探しましょう。軽い有酸素運動が狭心症や心筋梗塞の予防となりますから、ジョギング、水泳、ウォーキングなどを30分以上、週3~4回程度することもおすすめします。1日1万歩を目指しましょう。

●まずは毎日30分以上歩きましょう
初心者におすすめしたいのは、いつでもどこでも一人でも始められるウォ−キング。1回に30分以上続ける理由は、運動すると最初は筋肉内の糖分、次に血液中のブドウ糖が使われるので、脂肪がエネルギーとして使われ始めるまでに20~25分かかるからです。でも、毎日できなくても週3回以上、または1週間の合計が3時間以上になればOK。忙しい人は、空いた時間で1回10分間程度を1日何回か繰り返すだけでも、ちゃんと効果があります。ただし、内臓脂肪を減らしたい人は、最低でも1日合計60分は歩きましょう。

●理想的な歩き方は?
姿勢よく、6~7メートル前方を見ながら、広めの歩幅(身長の45%)で膝をしっかり伸ばして踵から踏み出し、やや早歩き(1分間に約100m)で歩きます。階段を上り下りしたり、一駅分を歩いたりするだけでも、エネルギー消費量を増やせます。
【速歩の理想的なフォーム】
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●有酸素運動がおすすめです
ゆっくりと深く多くの酸素を取り込むことで、より多くの脂肪を燃やすことができる有酸素運動を毎日続けるのが理想です。

おすすめの有酸素運動
大腿筋や大臀筋などの大きな筋肉をダイナミックに動かすことが効果的です。
平地早歩き、水中運動、サイクリング、ラジオ体操、ベンチステップ(20cm高)運動、歩くような速さのジョギング(スロージョギング)などが勧められます。

「楽である ややきつい」が目安
これから運動を始める人は「かなり楽である」強さから始めて、「ややきつい」強さでの運動を目指しましょう。運動中に血圧が上がりすぎず、血液の疲労も少ない強さが大切です。「ややきつい」を感覚で表現すると、「いつもより早く歩いている。ちょっと息がはずむが笑顔を保てる。5分くらいで汗ばんでくる。10分間でスネに軽く筋肉痛を感じる」です。
※厚生労働省「健康づくりのための運動指針2006」
運動しているときの心拍数(一分間あたりの脈拍)の目安
・138−年齢÷2=心拍数
たとえば50歳の人なら、心拍数が113(138−50÷2)以内の運動を心がけてください。

●運動はこういう効果が期待できます
体力を維持もしくは増加させる。
動脈硬化性疾患やメタボリックシンドロームの予防・治療効果がある。
善玉HDLコレステロールを増やし、中性脂肪(トリグリセライド)を減らす。
インスリンの効果を高める。
ストレスを解消し、骨密度や脳機能を高め、QOLを改善する。
※ただし、心筋梗塞や狭心症・脳卒中をおこした人やお年寄り、脂質異常症やメタボリックシンドロームのハイリスクの人は、医師のチェックが必要です。膝や足の関節症の方も注意してください。急性冠症候群、心筋炎、心膜炎、重症不整脈、心不全、腎不全などをおこした人は、運動してはいけません。

●運動をしてはいけないのはどういう時?
心臓がドキドキする・安静時の脈拍が1分あたり20以上高い・体温が37度以上・吐き気・下痢・めまい・足のむくみ・全身がだるい、などの症状があったら、その日は運動を取りやめてください。必ず、運動を始める前に、その日の体調を点検しましょう。


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